AtCoder Beginner Contest (ABC) 190 PythonでC問題解いてみた
前回の続きです。
前回
AtCoder Beginner Contest (ABC) 190のC問題やっていきます。
言語はPython、提出はPyPyです。
目次
C問題 チャレンジ編
問題文
お皿がN枚あり、人間がK人います。
各人間が皿C、Dのどちらかに球を起きます。
条件は最大で何個満たされるでしょうか。
という問題ですね。
全体的に条件が軽い(数字の上限が低い)ので、全探索行けるかなぁ・・・と。
人間がお皿に球を置くパターンを全探索しても2Kなので、問題なさそうです。
※ 1 <= K <= 16 なので、最大でも216なのでTLEにならない。
というわけで方針を。
1. 全探索する。
2. 各パターンで、どのお皿に球が乗っているかを確認。
3. そのパターンで満たす条件をチェック。
4. 条件を満たしたらansを増やす。
というわけで、全探索してみよう!!と書いたのがこちらのコード。
n,m = map(int,input().split()) joken = [] for i in range(m): a,b = map(int,input().split()) joken.append([a,b]) k = int(input()) oku = [] for i in range(k): c,d = map(int,input().split()) oku.append([c,d]) ans = 0
はい。そうです。全探索の方法がわかりませんでした。
全探索しようとすると詰まったんですよね・・・。
樹形図でサンプル1を書くとこんな感じになります。
1 --------- 1 ------2 | L----3 | L------ 3--------2 L----3 2 --------- 1 ------2 | L----3 | L------ 3--------2 L----3
これをどうやって全探索すればいいんだろう・・・。って感じです。
C問題 解決編
はい、というわけで解決編です。
皆さんはこんな言葉をご存知でしょうか。
bit全探索
はい、そうです。
ビットでフラグ管理することで全探索することができるのです。
実際のイメージだと、こんな感じ。
例: サンプル1の場合
3人全員が皿Cを選ぶ場合。 (樹形図1,1,2) 000
2人が皿C、1人が皿Dを選ぶ場合。 (樹形図1,1,3) 001
のように、任意のある人iが皿Cを選ぶ時、i番目のビットが0になるようにすると、全探索できるのである。
毎回、二進数で1を足すことで、重複無く全てのパターンをチェックできるのです。
方針は全く変わらず、
1. 全探索する。
2. 各パターンで、どのお皿に球が乗っているかを確認。
3. そのパターンで満たす条件をチェック。
4. 条件を満たしたらansを増やす。
ということで書きました。
というわけで書いたコードがこちら。
n,m = map(int,input().split()) joken = [] for i in range(m): a,b = map(int,input().split()) joken.append([a,b]) k = int(input()) oku = [] for i in range(k): c,d = map(int,input().split()) oku.append([c,d]) ans = 0 # bit全探索開始 for i in range(2 ** k): dish = [0] * n # お皿を初期化 # 人数分のbitをチェック for j in range(k): if (i >> j) & 1: dish[oku[j][1]-1] += 1 else: dish[oku[j][0]-1] += 1 sum_i = 0 # 条件を満たす数 # 満たす条件数をチェック for l in range(m): if dish[joken[l][0]-1] > 0 and dish[joken[l][1]-1] > 0: sum_i += 1 # 最大値を答えるので、答えを更新 if ans < sum_i: ans = sum_i else: print(ans)
というわけでコードの解説していきます。
前半部分はいろいろ入力を受け付けたり、変数を定義しているだけです。
後半部分のループからです。
rangeが2kになっているのは、各人間が皿に置くパターンがCかDかの二択で、その選択がK人分あるので、全パターンは2kとなるから。
※わかりずらかったら樹形図を見てね。上にあるよ。
次、bitチェックする部分ですね。
# 人数分のbitをチェック for j in range(k): if (i >> j) & 1: dish[oku[j][1]-1] += 1 else: dish[oku[j][0]-1] += 1
rangeがkなのは人数分のループを回すから。
続いて、if文の中。
サンプル1を例にします。
i = 0 の時、 dish = [0,0,0,0] j = 0 の時、 i & 1 = 0 よってFalse # i = 000(2進数) dish[oku[0][0]-1] += 1 # 1人目がCを選択したということ(iの右から1番目が0)。 #皿1(1人目のC選択)に1追加 dish = [1,0,0,0] j = 1の時、 i >> 1 & 1 = 0 よってFalse # i = 000(2進数) # 000を右に1ビットずらす。000→00「0」(「」がなくなる) # 右に1ビットずらして空いたとこ(左)には0を追加。「0」00(「」が追加) # これと、&1をとることで、右からj番目の数が0か1かを判別できる。 dish[oku[1][0]-1] += 1 # 2人目がCを選択したということ(iの右から2番目が0) # 皿1(2人目のC選択)に1追加 dish = [2,0,0,0] : : :
というように、iを二進数に直して、右からa番目が1なら、人間a人目が皿Dに置く。0なら、Cに置くという処理を行っている。
サンプル1のi = 0でjのループが終わったときは
dish = [2,1,0,0]
これは、樹形図でいう、
1 --------- 1 ------2
| L----3
|
L------ 3--------2
L----3
太字の選択に該当する。
次、条件チェックの箇所について。
# 満たす条件数をチェック for l in range(m): if dish[joken[l][0]-1] > 0 and dish[joken[l][1]-1] > 0: sum_i += 1
各条件を全探索していく。
条件iが満たされる条件は以下の通り。
1. 条件iのAの皿に球がある
2. 条件iのBの皿に球がある
3. 条件1,2を共に満たす
これをコードに直したのが
if dish[joken[l][0]-1] > 0 and dish[joken[l][1]-1] > 0:
このコードの
dish[joken[l][0]-1] > 0
が条件1に該当する。
dish[joken[l][1]-1] > 0
が条件2に該当する。
これらをandで繋ぐことで、条件3が達成される。
そしてif文が通る=条件を全て満たした場合、
sum_iに1を追加する。(条件1個満たしたよね。)
そして、条件を全探索した後、現時点でのansとsum_iを比較して、大きい方をansに更新する。
※これをやることで、ansが最大値のまま、維持される。
最後にansを表示して終わりです。
むずい!!!
ここでプラスアルファで、bit全探索の注意点。
計算量がバカでかくなるので注意しましょう。
youtubeで、「不可思議の数え方」と検索してみてください。
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不可思議の数え方
nが1つ大きくなるだけで計算時間が膨大になっていくのがわかると思います。
調べていくうちにこういう小話が増えていくのがアルゴリズムの面白いところですよね。
それでは。